ファッションとしてのメガネの過去と未来を描き出す「ファッションメガネ図鑑」 [インタビュー]

ファッションメガネ図鑑」は、1940年代頃の20世紀から現代までのメガネにおける流行の変遷を考察する写真メインの書籍です。翻訳書を中心に出版をされているガイアブックスから出版されています。

この書籍では数多くのメガネとサングラスが紹介されていて、そのうちの大半はサイモン・マレーという人物の個人コレクション。オンスペック・オンティック社創設者の彼が、25年に渡って集め、様々なドラマ、長編映画、演劇、コマーシャルなどで使われているメガネです。

20世紀の間に、ファッションアイテムとして大きな進歩を遂げたメガネ、そしてその歴史を紹介してくれる「ファッションメガネ図鑑」。今回、同書籍についてガイアブックスの編集者の方にお話を伺ってきました。

ガイアブックスでは、海外の良書を日本に紹介することをコンセプトにしています。海外の優れたものを日本に紹介していて、今回のファッションメガネの書籍の企画者はガイアブックスの社長でした。これまで自転車やシューズにフォーカスした書籍の翻訳は行っていたのですが、メガネに関する書籍を取り扱うのは初めてです。

目次

”ファッション”になり始めたメガネ

今回、「ファッションメガネ図鑑」が出版されるにあたって、てっきりメガネに詳しい人が編集されたのかと思っていました。なぜ、ファッションメガネをテーマにした書籍を出版しようと思われたのでしょうか。

メガネ好きだったわけではないのですが、メガネの素人目からしても、日本においてもメガネがファッショナブルで安価になってきたと感じています。少し前まではメガネは1人に1本だけ持つものでした。今では、1人で何本か持つことも増えてきていて、タイミング的にもちょうどいいかなと思いました。

なるほど。たしかに、元々は医療器具として、視力の矯正をする目的でかけられていたメガネも、随分と立ち位置を変えてきています。もちろん視力矯正の役割も果たすのですが、それ以上に自分の個性を表現できるものが選ばれたり、目が悪くない人でも伊達メガネをかけるようになったりと、メガネに求めるものも多様化しているのかもしれません。

Some rights reserved by Paolo Neoz

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そんなファッションとしてのメガネにフォーカスした「ファッションメガネ図鑑」の中では、どういったことが描かれているのでしょうか?

1940年代ころから、時代とともにメガネがどう変化してきたのかを、時代ごとに紹介しています。その時代の有名人がどういったメガネをかけていたか、映画やドラマでどう取り上げられたか、ファッションアイコンとしてメガネがどのような扱いだったのかを紹介しています。

「ミッション・インポッシブル」や「フック」「インディ・ジョーンズ」「ハリー・ポッター」など、名作と呼ばれる映画で使用されたメガネ、サングラスのモデルなどが登場します。数十年に渡るファッションメガネの軌跡を追うのは楽しそうです。

いち早くファッションメガネのコレクターとなった人物

これだけの量のファッションメガネの情報をまとめるのはとても大変な作業だったはず。原書となった書籍を執筆されたのは一体どんな人物だったのでしょうか。

原書の執筆者の1人はサイモン・マレーという人物です。元々は映像業界の人間で、仕事の中で目に関わるファッションアイテムの引き合わせが多くなり始めたことから、いち早くメガネのコレクションを始め、その後レンタルをするなどしてメガネコレクションでビジネスをした人です。

1987年に、オンスペック・オンティック社という会社を創業。様々なドラマ、長編映画、演劇、コマーシャルなどで使われているメガネを提供したほか、オリジナルのメガネの制作などを行いました。

表現としてのメガネ

この書籍では、彼が集めていたメガネとオリジナルのメガネの中から、選りすぐりのメガネを紹介しています。図鑑を見ていると、彼が会社を立ち上げた1980年の後半から、メガネのアイテムが爆発的に増えたことがわかります。この時をターニングポイントに、メガネの表現が大きく変わってきました。その頃から、表現としてのメガネ、ファッションメガネが確立されてきました。

メガネの未来、メガネのこれから

これまで接点がなかったメガネというものをテーマにした書籍を編集してみて、メガネに対する印象はどう変化したのでしょうか。

普段はメガネは意識していませんでした。今回、「ファッションメガネ図鑑」の編集をしてみて、随分メガネのことを意識するようになりましたね。映画を見る際に、登場人物がかけているアイウェアを意識するようになりました。

「ファッションメガネ図鑑」の最後は、21世紀、これからのメガネがどうなるかについて書かれています。自分で度数を調節できるメガネなど、これまでとは違ったメガネが登場してきており、メガネも変化していくことが考えられます。人はメガネ1つで印象は変わります。人の個性を引き出すファッションとしてのメガネは、人のファッションにおいて重要な役割を担っていると思います。

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日本においても、今後さらにファッションとしてのメガネが広まっていくはず。その際に、「ファッションメガネ図鑑」が何かの参考になれば幸いです。

何十年もの歴史をたどり、これから先の未来を考える。なんともロマンのある話だと思います。ファッションやメガネに関心のある方は、ぜひとも「ファッションメガネ図鑑」を手にとって、ご覧になってみてください。

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